江戸川橋、早稲田、後楽園、護国寺、飯田橋、新宿区、音羽、関口、水道、小日向、目白台、椿山荘、早稲田大学、神楽坂、新目白通りのオフィスにお勤めで、腰痛、ぎっくり腰、坐骨神経痛、便秘、冷え性、足の痺れにお悩みの方、もしくは骨盤矯正をご希望の方はお気軽にお立ち寄りください
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腰痛や肩こりなどの症状をお持ちの方であれば腰や肩を揉まれて楽になった経験があると思います。都内であれば様々なマッサージ系の店舗が軒を連ねる光景も少なくなく、マッサージに対する人気の高さがうかがえます。一方で、弊院では「マッサージを受けた後に痛みが悪化した」という動機でご来院される方が一定の割合でいらっしゃいます。しかも痛いほど強い力で揉まれたわけでもなく、一般的な力でマッサージを受けたのにもかかわらず症状が悪化しています。
するとマッサージは腰痛や肩こりを「楽にもするし、悪くもする」ということになります。この矛盾はなぜ起きるのでしょうか?このページではマッサージとは体にどんな影響をあたえるのか?その正体を考えてみたいと思います。※あくまで「症状の悪化」に焦点をあてていますので、揉み返し(マッサージの刺激によって皮膚や筋膜などに炎症が起こり、受けた後に筋肉痛のような症状がでること)による痛みは除きます。
一口にマッサージといっても按摩/指圧だけではなく、マッサージに類似した業態を含めると、アロマオイルを用いたものや手を使わない場合もあったり、押す順番や場所も考え方によって違いがあるなど、実は様々な違いがあります(→「マッサージの種類」で検索)。そのためこれらに統一した評価をするのには無理がありますので、主旨に沿って「受けたら症状が悪化した」ケースに共通したマッサージ内容を対象にします。経験された方のお話をまとめると、「指で揉まれた/押された」「肘で押された」「足で踏まれた」などの違いはあるものの、「症状を感じている部分を直接に揉まれた/押された」ということが共通しています。
次に「症状を感じている部分」の共通点ですが、それらには「筋肉が強く緊張した状態」という一致があります。まとめると「症状を感じていた部分には強い筋肉の緊張があり、そこを揉まれた/押されたら症状が悪化した」ということになります。これだけを考えるとやはりマッサージで硬い筋肉を揉むわけですから、むしろ楽になるような感じがします。そこで「揉まれて悪化した方々の共通点」にも目を向けると、「比較的症状が強い状態で受けた」、または「ギックリ腰などの急性期に受けた」という共通点がみられます。ギックリ腰を経験された方でしたらご存じだと思いますが、めちゃくちゃ痛いです。ですのでこれらは「症状が強い状態で受けた」と一括りにできます。
ところで、薬は正しい用量を大幅に超えて用いると人体にとってはただの毒といえます。骨格の矯正でも適切な力を大幅に超えた力を用いれば人体にとっては障害になるだけです。逆に症状の重い場合と軽い場合で同じ薬を適量の範囲内で同量もちいた場合、症状の重い場合は効きにくいということはあっても症状が悪化するということはありません。また、骨格のゆがみの程度が大きい場合と小さい場合、適切な同じ力で矯正すれば大きいゆがみは完全に矯正されることはなくても、さらにゆがむということはありません。つまり、人体の生命維持や健康、治療を目的として何かを与える場合、与える量によって回復(健康の増進)もすれば悪化(健康の減退)もしますが、適量であれば状態の程度によって効果がないことはあっても逆効果になることはありません。
これは他にも食事や栄養、酸素、運動、睡眠など多くのことに当てはまります。 それに従うと、マッサージに「症状の軽い場合は楽になる」が「症状の重い場合は悪化する」という性格があるとしたら結構大問題です。少し極端かもしれませんが、50度のお湯を火にかけるとさらに熱くなるのに、80度のお湯を火にかけると逆に冷たい水になってしまうようなものです。これを考えると「揉む/押す」ということが「症状を回復する」ということには根本的には結び付かない可能性を感じます。そこで「緊張した筋肉を揉む/押す」ということがどういうことかを考えてみます。
まず筋肉が緊張する理由ですが、これには様々なパターンがあります。例えばスポーツや筋トレを行った直後や、精神的なストレスなどにより筋肉は硬く緊張します。他にも慢性的な運動不足や糖尿病などにより血管の理想的な太さを失った状態の筋肉も硬くなる傾向にあります。ですが結果からいうと、マッサージで悪化した方には「骨格的な問題で筋肉が緊張した」という共通点があります。私の知る限り運動/運動不足や精神ストレスなどによる筋肉の痛みやコリに対してマッサージを受けて悪化したという例は「揉み返し」を除いてはありませんし、それらだけが原因で強い症状になることも普通はないといえます。そこで次に筋肉が緊張する骨格的な問題を考えてみます。
骨格に関わる筋肉(骨格筋)は全て、ある骨の一部から別の骨の一部に関節をまたいでくっついています。そして筋肉が伸び縮みすることで関節を支点に骨どうしの距離を離したり近づけて関節を動かしています。ですので筋肉は「体の動き」に関わるものなのですが、その他に「緊張することで骨格を支える」という重要な働きがあります。簡単なモデルでご説明ると、一本の木があり、その木の根元をノコギリで切った状況を想像してください。木は支えがなければ倒れてしまう状態です。次に4本の同じ長さのロープを用意してそれぞれを木の頂上先端に括りつけ、木に対して前後左右に位置した4人で木が倒れないようにそのロープを1本ずつ引っ張り合って支えたとします。当然、木を真っ直ぐ支えるためには4人が同じ力で引っ張ることが重要になりますが、木が直立を維持している限り大きな力は必要なく簡単に支えることができます。
もうお気づきかもしれませんが骨格を木に、筋肉をロープに見立てています。 私たちには硬い「骨」があるからこそ地球の引力に逆らい直立できますが、もし全身が1つの骨だったら身動きできませんので骨は複数に分かれています。特に上半身の柱である背骨は頸椎〜腰椎で24個にもおよび、それぞれの間(関節)は自由に動く不安定な状態になっているため、それらを筋肉で引っ張り合うことによって背骨を立てた状態を維持しています(→「背骨は大黒柱ではない?」)。ですので「バラバラで不安定な骨(骨格)」を「根本を切って不安定な木」、「骨を支える筋肉」を「木を支えるロープ」で表現しています。イメージしやすいように地面を肩のラインだとして、「木」→首〜頭、「ロープ」→首〜肩の筋肉と考えてみます。
例えば木が前方に少し倒れてしまった場合を想像してください。そうすると前に伸びるロープは倒れた分だけ「緩み」、前方で支えていた人は引っ張る必要がなくなり「楽」になります。反対に後のロープは「緊張」し、後方の人は支えるために強い力で引っ張らなければならなくなり「疲れる」ことになります。これが人体でも同じように起こります。例えば机でパソコンを操作する時は一般的に体に対して頭が前に倒れた状態になることが多く、仕事などでこの姿勢でいることが日常になるとその姿勢に適応するように「ゆがみの定着」が起こるため机から離れても常に頭を前に倒した状態になることがあります(→「体がゆがむ時」)。
この状態になると、いつも前に倒れた頭の重さを引っ張り支えるために、頭より後にある胸椎や肩甲骨からくっつく筋肉(僧帽筋、肩甲挙筋、脊柱起立筋など)が「緊張し疲れる」ことになり、その結果起こるのが「肩コリ」や「首コリ」です。他にも「上半身」を木、「腰の筋肉」をロープに見立てることもできます。上半身が倒れた状態を支えることで腰の筋肉が緊張し腰痛に発展します。つまりこれがマッサージで症状が悪化した方に共通した「筋肉が骨格的な問題で緊張した」ケースです。まとめると「何かしらの理由によって傾いた体を支えるために緊張した筋肉にマッサージを受けた」ということになります。
マッサージには筋肉を押す/揉むことで血行を促進し、たまった疲労物質を流すことで筋肉を柔らかくする作用があります。つまりこれらの場合、「緊張した筋肉をマッサージをする」ということは「倒れた体(木)を支え続けるために緊張した筋肉(ロープ)を緩める」ということになります。 しかし普通に考えれば、もし木が倒れて反対側のロープが強く緊張し、引く人に強い負荷がかかった場合、それを解決するためには「木を真っ直ぐ立てて、緩んだロープの緊張をとり戻す」ことが重要なのであって、支えていたロープを一瞬緩めたとしても再び緊張するのは明らかです。同様に、常にデスクワークなどで慢性の肩こりの場合、倒れた頭を立てて(矯正して)、長い期間たるんで筋力が衰えた筋肉を再び緊張できるようにすることが解決方法になります。つまり骨格に原因がある筋肉の緊張に対しては「揉む/押す」は「症状の根本原因を回復する」ということには結びつかないということがわかります。
これをふまえればマッサージが「症状の軽い/重いの違いで楽にもするし、悪くもする」の謎が解けます。症状が軽い場合というのは「木の傾きが小さく、支えるロープの緊張も少ない」状態です。このとき傾きによって緊張したロープを緩めても「他のロープ」がフォローして支えてくれます。もちろん木は傾いたままなので休憩した後は再び支えなければなりませんが、それまでの間「一時的な休憩」を得る事ができます。肩コリや腰痛であれば支え続けていた筋肉が一時的に緩むことで「楽になった」と感じます。
一方、症状が重い場合は「木の傾きが大きく、支えるロープの緊張が強い」状態です。もし支えなければ木が倒れてしまうような大きな傾きの場合、倒れる寸前でそのロープがなんとか支えていたわけですから、それを緩めてしまうと倒れてしまいます。症状の重い腰痛の方がマッサージを受けた後にギックリ腰になったり、ギックリ腰の方がマッサージの後にベッドから起き上がれなくなったということがありますが、今まで倒れた体を支えていた筋肉を緩めてしまったわけですから体を「立てる」ことができなくなって当然といえます。つまりこれが「良くもなるし、悪くもなる」マッサージの正体です。
マッサージには「筋肉を緩めて疲労を回復する」効果があります。ただし「緩めてはいけない筋肉がある」ということに注意が必要です。症状が軽ければ一時的にコリも解消され楽にはなりますが、悪い姿勢を支えるために緊張していた筋肉をマッサージしてしまうと、疲労が回復することにより以前にも増してその筋肉で支えるのが楽になり「悪い姿勢をしやすくなる」ため骨格の改善はありません。そのため、みつわカイロプラクティックでは骨格調整が目的の方には「支えるために緊張している筋肉」を緩めないように注意しつつ施術を進めていきます。